中上級者におすすめ!日本の地クラブブランド【前編】

和風の建物内の木製テーブルの上に並べられた六つの職人手作りのゴルフクラブヘッドがあり、背景には緑豊かなゴルフコースと山並みが広がっている。画面上部には「地クラブ」の白い文字が配置されている。 ゴルフギア

ゴルフクラブにも「地ビール」や「地酒」のように**「地クラブ」**と呼ばれるカテゴリーがあります。一般的に地クラブとは、大手メーカー製品のように大型量販店にはほとんど並ばない、小規模メーカー製造のクラブやヘッドパーツのことです。多くは地方発祥で地域に根ざした工房から生まれたためそう呼ばれ、実際に大手のOEM(他社クラブの製造受託)を担う高い技術力の会社も少なくありません。大量生産品とは一線を画し、細部までこだわって丁寧に作られる高品質なクラブが多く、先進素材の採用や個性的なデザインなど大手にはない魅力を備えている点も特徴です。

以前は一部トップアマチュア向けの製品が中心でしたが、最近は中級ゴルファーでも自分のプレーを補う性能を体感できるモデルが増え、ターゲットごとに性能を明確にしたラインアップも登場しています。シャフトやヘッドを自分好みに組み合わせてオーダーできるカスタム性も地クラブの強みで、自分仕様のクラブ作りにハマるゴルファーも少なくありません。

本記事【前編】では、代表的な地クラブブランドから以下の4社を紹介。それぞれの特徴や製造背景、評判、対象となるゴルファー像、価格帯と入手方法をまとめています。

エポンゴルフ (EPON)

本拠地・創業
新潟県燕市。遠藤製作所(エンドウ製造株式会社)の子会社として1977年設立。遠藤製作所は大手OEMを担う鍛造メーカーとして知られる。

特徴・設計思想

  • プレーヤーのフィーリングとパフォーマンスを最大限に引き出すクラブを理念に、自社一貫生産で高品質・高精度を追求。
  • モデルごとに最適な構造・素材を選択し、試作評価を繰り返す。厳格な検査基準のもと、マスターモデルどおりの仕上げを実現。

代表的な強み

  • 滑らかな打感:鍛造技術によるやわらかいフィーリングは中上級者に絶大な支持。
  • コントロール性能:上級者向けアイアン中心ながら、中空構造のやさしいモデルも展開。
  • ドライバーの安定性:高精度な製造プロセスで高い方向安定性を実現。ただし一部「飛ばない」といった評価もあるため試打推奨。

価格帯・入手方法

  • アイアン:1本3~4万円前後。
  • ドライバーヘッド:7~8万円以上。
  • 量販店非展開。エポン公認フィッターの工房または公式オンラインショップで購入。

三浦技研 (Miura Golf)

本拠地・創業
兵庫県市川町。1977年創業。創業者・三浦勝弘氏は軟鉄鍛造アイアンで知られる名匠。

特徴・設計思想

  • **「道具として信頼できる本物のゴルフクラブを追求」**の精神で、軟鉄精密鍛造による一体成型に徹底。
  • 職人の手仕上げにこだわり、美しい外観と高精度を両立。伝統を重んじつつ中空構造や新素材も採用。

代表的な強み

  • 打感と操作性:上級者が好むクリアなフィーリングと思い通りに曲げられる操作性。笹生優花プロが使用し、メジャー優勝実績あり。
  • 中級者向けモデル増加:PI-401アイアン(2021年発売)は飛距離と構えやすさを融合し、初心者〜中級者にも好評。

価格帯・入手方法

  • アイアンセット:10万円超のプレミアムクラス。
  • 購入は全国の三浦公認フィッティングスタジオ、正規取扱店、公式オンラインショップでオーダー可能。

バルド (Baldo)

本拠地・特徴
兵庫県姫路市。尖ったデザインと飛距離性能が特徴の地クラブメーカー。

特徴・設計思想

  • 高反発チタンや高比重複合素材を積極採用。ヘッド内部に凹凸を設け剛性を強化し、飛距離と打感の両立を追求。
  • ブランド理念は「今までの力で今まで以上の飛びを可能にする」。

代表的な強み

  • COMPETIZIONE 568ドライバー:2016年ヨネックスレディス優勝者が投入したモデル。高弾道かつ低スピンで飛距離性能に定評。
  • デザインの尖鋭性:独創的な見た目が目を引くが、許容度は低めのため中上級者向け。

価格帯・入手方法

  • ドライバーヘッド単体:約10万円前後。
  • 購入はフィッティング対応専門店や公式通販「EVANGELIST JAPAN」。

ロマロ (RomaRo)

本拠地・特徴
東京都西多摩郡発。フェアウェイウッド(FW)・ユーティリティ(UT)に定評あるブランド。

特徴・設計思想

  • ドライバーやアイアンではなく競争の少ないFW/UT開発に注力し、高性能なヘッドを次々投入。
  • 「Ray(レイ)シリーズ」が象徴的で、完成度の高いFW/UTを展開。

代表的モデル

  • Ray Type R フェアウェイウッド:鍛造チタンカップフェース+ソール後方タングステンで高弾道&低スピン。ミスヒットにも強い。
  • FWでの飛距離不足解消や上がりづらい球を持ち上げたい中上級者に最適。

価格帯・入手方法

  • FW:5〜6万円前後。
  • ドライバーやアイアン、ウェッジも展開。
  • 専門工房や公式オンラインショップで試打&オーダー可能。

まとめ(前編)

前編では下記の4ブランドを紹介しました:

  1. エポンゴルフ:鍛造技術による滑らかな打感と高精度品質。
  2. 三浦技研:軟鉄鍛造の名匠が生むクリアな打感と操作性。
  3. バルド:尖ったデザインと飛距離性能に特化。
  4. ロマロ:フェアウェイウッド/ユーティリティに秀でた高性能ヘッド。

いずれも「大手にはないオンリーワンのフィーリング」を提供するブランドです。量販店では試打機会が限られるため、必ず信頼できるフィッティング環境を整えたショップで、自分のスイングに合うか確認したうえで購入を検討してください。次回【後編】では、残り4社(ジャスティック、マスダゴルフ、カムイ、グランプリ&エミリットバハマ)を掘り下げます。お楽しみに!

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