前編ではエポンゴルフ、三浦技研、バルド、ロマロの4ブランドを紹介しました。本記事【後編】ではさらに4社を取り上げます:ジャスティック(JUSTICK)、マスダゴルフ(Masda Golf)、カムイ(Kamui Works/Kamui Pro)、そしてグランプリ&エミリットバハマ。各ブランドの特徴や評判、対象ゴルファー像、価格帯・入手方法を解説。最後に地クラブ全般の価格帯・入手性、メリット・デメリットをまとめます。
ジャスティック (JUSTICK)
本拠地・特徴
大阪。本格感と信頼性を求めるゴルファーから支持されるブランド。
- **「ゴルファーの感性に素直に応えるクラブ」**を掲げ、安心感ある形状・性能・デザインを追求。
代表的モデル
- PROCEED(プロシード)シリーズ:
- 上級者向けに強調されたディープフェース設計で、打感と反発力を両立。
- 高弾道・低スピンが得られ、ヘッドスピードの速いユーザーも安心して振れる性能。
- TOUR CONQUEST ドライバー:
- 低スピン&直進性重視の設計で、アベレージゴルファーにも人気。
対象ゴルファー
- ヘッドスピードが速い中上級者で、打感・飛距離・直進性を一貫して追求する人。
- 直進性を重視する中級ゴルファーも安心して使えるモデルが揃う。
価格帯・入手方法
- アイアンセット:10~12万円前後。
- ドライバー:8~10万円前後(シャフト込み)。
- 量販店非展開。専門ショップやカスタム工房、公式サイトでフィッティング購入。
マスダゴルフ (Masda Golf)
本拠地・背景
千葉県八千代市。2004年創業、デザイナー増田雄二氏主導。
- **「クラブはプレーヤーの能力を引き出すものであるべき」**を信条。
- ジャンボ尾崎プロなど頂点を極めたプロからの厚い信頼を背景に、職人的なクラブ作りを継承。
代表的モデル
- Masda M425 ドライバー:
- 低スピン・強弾道化を実現した隠れた名器として評判。
- 操作性も兼ね備え、上級者の「飛距離とコントロール」を両立。
- Masda ウェッジ:
- 原英莉花プロも使用。繊細な打感と高い精度が評価される。
対象ゴルファー
- 道具を味わい尽くす職人気質の中上級者。
- 飛距離だけでなく、フィーリング・操作性を重視するゴルファー。
価格帯・入手方法
- アイアン単品:2~3万円程度。
- パター:10万円前後の高級モデルあり。
- 購入は公式オンラインショップまたは提携工房でのオーダー。
カムイ (Kamui Works/Kamui Pro)
本拠地・特徴
富山県。**「飛ばなければカムイじゃない」**を掲げ、飛距離と直進性に徹底フォーカスする地クラブメーカー。
技術・設計のポイント
- 極薄チタンフェース:業界最薄クラスで高反発。
- ダブルキック設計シャフト:2か所のしなりポイントで高弾道&安定性。
- 厳密なスペック管理:20年以上前からロフト・ライ角・長さなどを誤差なく生産。
代表的モデル
- Kamui Pro ドライバー:
- 極薄フェースと着脱式ウェイトにより、高初速&低スピンを実現。
- ヘッドスピードの速い上級者でも振り切れる飛距離モデルが揃う。
対象ゴルファー
- ヘッドスピード・パワーに自信がある中上級者。
- 飛距離不足やスピン過多に悩むアスリートゴルファー。
価格帯・入手方法
- ヘッド単体:10万円超が多い。
- シャフトは別売。フィッティング販売が基本。
- 取扱工房で試打・オーダー、公式サイトで取扱店リスト参照。
グランプリ & エミリットバハマ
グランプリ (Grand Prix)
本拠地・背景
1998年創業、愛媛県松山市。創業者・田中浩士氏はトップアマ経歴あり。
- **「プロ・アマ問わず妥協なきクラブ作り」**を掲げる。
- 田中氏自らヘッド形状を設計し、手作業で研磨しながら感性に響く仕上げを追求。
特徴・設計思想
- 競技志向が強く、ミスを防ぐヘッド設計を重視。
- ツアープロや上級者からの信頼が厚く、一度使うと手放せない愛好者多数。
エミリットバハマ (EMILLID BAHAMA)
誕生・特徴
2013年、グランプリの姉妹ブランドとして誕生。**「やさしくアベレージにも使えるモデル」**に特化。
- 大型ヘッドで打点ミスに強く、低スピンながら飛距離を伸ばせる設計。
- 重心距離を長めに設定し直進性を重視。ミスヒット時の飛距離ロスを最小限に抑える。
- ヘッド重量調整で長尺シャフト対応など、ユーザー要望に柔軟対応。
対象ゴルファー
- ヘッドスピードがあまり速くない中級ゴルファーでも恩恵を受けられる。
- 飛距離とやさしさを両立したいアベレージ層。
価格帯・入手方法(共通)
- ドライバー完成品:10〜15万円程度。
- 購入は提携の専門工房やカスタムクラブショップでオーダー。
地クラブの価格帯・入手性とメリット・デメリット
価格帯
- アイアン:1本 2〜4万円前後。セット(6本)で10万円以上が一般的。
- ドライバー:完成品 10万円超、ヘッド単体 7〜10万円台。
- フェアウェイウッド/ユーティリティ:5〜6万円が相場。
- パター/ウェッジ:数万円〜10万円前後。
→ 大手メーカー量販モデルに比べて高価だが、素材・製法へのこだわりが価格に反映されている。
入手性
- 量販店ほぼ未展開。
- 主な購入経路:
- メーカー公式サイト or 正規代理店オンラインショップで直接オーダー
- 専門プロショップ・カスタムクラブ工房で試打&フィッティング購入
- 中古市場での流通量は少なく希少。中古を選ぶ場合、スペック適合の見極めが必要。
メリット
- オンリーワンの高品質・高性能
- 大量生産品にはない細部へのこだわり。先進素材や独自設計で飛距離・操作性・打感を高次元で両立。
- カスタム性の高さ
- ヘッド形状、ロフト/ライ角、長さ、シャフト選択など自由度が非常に高い。
- 自分仕様を作る楽しみと所有欲を満たす。
- 個性的なデザイン
- 大手にはないユニークなヘッド形状や仕上げ。話題性と満足感を両立。
デメリット
- 価格が高い
- 量販モデルより2〜3割高。複数本揃えるのは予算の負担が大きい。
- 購入場所が限られる
- 取扱店数が少なく、都心部やゴルフ工房まで足を運ぶ必要あり。
- 試打クラブが限られ、フィッティング環境を整えるのが難しい場合も。
- 尖った性能には注意
- “性能が突出し過ぎたモデル”は自分に合わないとスコアを崩しやすい。
- 試打やフィッティングで自分に合ったスペックを見極めることが不可欠。
総括・購入のポイント
- 必ずフィッティングを:すべての地クラブは微細な調整がされているため、事前試打→フィッティングを経て自分に合うスペックを選ぶ。
- 用途・目標を明確に:飛距離重視か、操作性重視か、やさしさ重視かをはっきりさせ、ブランドを絞り込む。
- 所有体験を楽しむ:高品質な地クラブは道具そのものに大きな価値がある。性能だけでなく所有欲やカスタムの喜びも味わおう。
中上級者がさらなるレベルアップを図るなら、ぜひこれら地クラブメーカーを試してみてください。大量生産品では味わえないフィーリングと、職人技が詰まった高品質の“もう一本”が、あなたのゴルフライフを豊かに彩ってくれることでしょう。
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